
私も仕事をしていて、家族とは離れて住んでいるので、家族が具合悪くなったら、どうしたらいいんだろう?
そんな悩みにお答えします。
この記事を書いている私は

介護の相談歴20年の現役ケアマネジャーです。
詳しいプロフィールは、こちら
この記事を読むことで、急に家族の介護が必要になった時も安心して対応できます。
また、自分や家族の将来の不安を避けることができます。
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目次
家族の介護で困った時はここに相談
5年後(2025年)には国民の4人に1人が75歳以上になると言われています。
最近では若い方でも脳血管疾患や認知症、がんの発症も増えています。
また、脳梗塞や骨折で突然始まることも多いです。
今までは介護は関係ないと思っていた方でも、誰にでも介護に直面する可能性はあるのです。
介護への不安のほとんどは、今までに経験したことがなく、知識のない事が大きな原因です。
相談先を知っておくことで、家族の急な事態にも対応する順番が分かり、その不安は少なくなるでしょう。
いざというときの相談先を知っておく
実際に相談できる窓口は、地域によって異なります。
どこの地域でも共通しているのは、役所の福祉課や介護課といった介護の窓口。
より身近な窓口では、「地域包括支援センター」という高齢者の相談窓口が、各地域に設置されています。
担当の地域が分かれているので、役所に電話または自治体によってはホームページでも確認できることもあります。
近所の人が発見するまで、家族だけで介護していた話
私が地域包括支援センターで、相談を受けていた時のこと。
Aさん家族
突然動けなくなった家族を、どうしたらいいのかわからないまま、家族だけで介護を続けていたとの事。
たまたま近所の方が家に行ったとき、家の中はものが散乱して、見るからに不衛生な状態でした。
すぐに介護の手続きをしていきましたが、もう少し早く対応ができていたら家族も大変にならなかったのかもしれません。
もちろん、介護が必要な状態にならないことがベストです。
最近では国の方針も、病院での医療から在宅への介護に重点を置くように変わってきています。
いずれ必要になるであろう「介護への備えの第一歩」として、いざという時の相談先を知っておくことから始めてみましょう。
家族の介護に使える制度がたくさんある
「介護保険料は払っているけれども、よくわからない」と言う声をよく聞きます。
ここでは、普段あまりなじみのない方も多い介護の制度についても、知っておくべきことを解説していきます。
知っておくと選択肢が増える
人は自分に関係のあることに、興味や関心があります。
では家族の介護は、関係のない人が多いのでしょうか。
前項でお伝えした通り、家族の介護が必要になる可能性は誰にでもあります。
突然の事態に備えて、少しでも知識を持っていると安心です。
ここでは、よく利用されるサービスに絞って紹介していきます。
①在宅で使える介護サービス
居宅サービスと呼ばれるものです。
訪問介護
ヘルパーさんと呼ばれているものです。
自宅に訪問して食事・入浴・排泄・移動といった身体的な介護や、掃除・洗濯・買い物・調理といった家事の援助を行います。
通所介護、通所リハビリ
デイサービスやデイケアと呼ばれるものです。
朝や夕方に「○○デイサービスセンター」という車を見かけませんか?
送迎バスで通って食事や入浴、リハビリやレクレーションなどを受けられます。
身体の機能を維持したり、認知症の予防にもなります。
また、家族の休息の時間にもなります。
福祉用具、住宅改修
急に介護が必要になったとき、慌てて車椅子や介護ベッドを買ったり、家の中に手すりを取り付ける方がいます。
実は、車いすやベッドはレンタルできることもあったり、手すりなど家の中の工事も、介護保険が利用できるのでこちらも事前に相談すると良いです。
②施設で使える介護サービス
介護保険が利用できる施設で、
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設
などがあります。
介護の相談に行った時に、施設の情報も併せて聞いておくと安心です。
何も分からないので心配
ここまでの話を聞いて、何もわからなくて心配な方もいるかもしれません。
実際に介護保険のサービスを利用するようになると、「ケアマネジャー」と言う担当の相談員がつきます。
わからないことを聞いたり、実際の手続きなども相談できますので、その都度相談するようにしましょう。
「家族の介護で使える制度はたくさんある」と言うことを知っておくと、いざと言う時に必要なものが選べるようになります。
家族の介護に備えて考えておくこと
では最後に、家族の介護に備えて今から考えておくと良いことを整理していきましょう。
家族の間でトラブルになりやすいこと
介護をするようになると、家族の間で意見がぶつかることもあります。
お金の事
介護にかかるお金をどうするのか?
介護受ける本人が出すのか、家族で相談をするのか。
自分の親の年金や経済状況は意外と知らないものです。いざというときに困らないために、家族が集まった時に聞いておくのも良いでしょう。
誰が介護するのか
一人暮らしの場合、同居している場合、によって違いますが、家族間で介護の分担をしておくと慌てずに済むでしょう。
今は共働き世帯も増えています。
「自分の生活を変えたくない」という想いは誰もがあるでしょう。
介護を続けていくには、家族で負担を分担できるようになるように、家族で話し合っておけると良いですね。
どこで介護をうけるのか
介護を受ける環境を考えるのも大切です。
特に昔ながらの家屋は、家の中の段差も多く、体の動きが不自由になると、生活するのが難しくなることもあります。
また、2階建ての家屋では、階段の登り降りが大変になり、寝室を1階に移している方も多くみられます。
「介護を受けられるようになっても、ここで生活できそうか?」
という視点で、一度考えてみるのもよいのではないでしょうか。
このようなことも考えておくと、実際に家族の介護をするときに役立ちます。
まとめ
今回は「家族の介護をする前に知っておくべき3つのこと 」についてお伝えしてきました。
今回の記事のポイントは、こちらです。
ポイント
- 家族の介護で困った時の相談先を知っておく
- 家族の介護に使える制度を知っておくと、選択肢が増える
- 家族の介護に備えて、お金の事・誰が介護するのか・どこで介護を受けるのか考えておく
介護の専門家は、介護が必要になってから関わることがほとんどですが、事前に準備をしておくと介護への心構えが変わるので、是非ご家族ともお話されてみてください。
今回は以上です。